2014年11月1日土曜日

関西学院 125周年記念シンポジウム「グリーン・イノベーションへの挑戦」が開催されました。

関西学院 125周年記念シンポジウム「グリーン・イノベーションへの挑戦」が開催されました。

2014年10月31日(金)、東京大手町にある日経ビル6F・カンファレンスルームにて、関西学院大学理工学部新学科開設記念シンポジウムが開催されました。今回は、主に先進エネルギーナノ工学科と環境・応用化学科が中心となり、グリーン・イノベーションをテーマとしたシンポジウムであった。多くの来場者があり盛会となった。

水木純一郎教授(関学理工・物理)が司会進行を務め、冒頭、村田治学長から関西学院の建学の理念・歴史・将来構想に関して挨拶が述べられた。さらに、加藤知理工学部長より、1961年の関西学院大学理学部開設以降、現在までの理工学部への発展の経緯が紹介された。

基調講演では、安永裕幸氏(経済産業省大臣官房審議官)より、「大学の「知」とビジネスマインドの橋渡しで日本発イノベーションを促進  ~関西学院大のチャレンジへの期待~」と題した講演が行われた。研究開発における産官学の各セクションにおける役割や、大学が担うべき役割を、具体的な日本初の技術革新を例にあげながら、解説した。さらに、後半では「私の考えるグリーン・イノベーション」と題して、今後日本が果たすべき研究開発のターゲットである、「サステイナブルな技術」とはどのようなものか?を論じた。さらに産業・社会・ライフスタイルという3つの縦軸と技術・ビジネス・産業制度という3つの横軸が、複合的にどのように関与しているのかを明快に述べた。

次に、田中 裕久氏(ダイハツ工業株式会社 開発部 エグゼクティブ・テクニカル・エキスパート)より、「仮説「モノは人を幸せにする」を証明するために~自動車の開発現場から~」と題した講演が行われた。田中氏は、自身が若いときに経験した放浪の旅の話を交えながら、語った。田中氏は、ダイハツにおいて、排気ガスを浄化する自動車用触媒の研究を行っている。自身が開発した、ペロブスカイト酸化物による自己再生機能をもつインテリジェント触媒について解説した。さらに、その機能解明には、Spring-8の放射光施設による解析が大きな役割を果たしたことを述べた。また、後半では、国内の様々な研究機関と共同進めている燃料電池車の開発の状況、将来展開を熱く語った。その後、橋本秀樹氏(大阪市立大学・複合先端研究機構/大学院理学研究科教授 学術情報総合センター所長)より、「自然に学び、人類に奉仕する〜人工光合成への挑戦〜」と題した講演が行われた。

パネルディスカッションでは、丸幸弘氏(株式会社リバネス代表取締役CEO)がファシリテーターとなり、基調講演者に加え、山田由佳氏(パナソニック・先端技術研究所グループマネージャー)、宮原明氏(関西学院理事長、元富士ゼロックス株式会社代表取締役社長)、金子忠昭氏(関西学院大学理工学部教授)の3氏を加え、グリーン・イノベーションはどこへ向かうのかというテーマで討論が行われた。前半では、グリーン・イノベーションとは何かという問いについて、討論が行われた。特に、橋本氏は、ある種の環境ホルモンでは子の代では無害でも、孫の代では有害になるものがあるというカーネギーメロン大学のコリンズ教授の指摘を例にあげ、グリーン・イノベーションとは、次世代、さらに次々世代のためへの持続可能な技術の創成であると指摘した。金子氏は、グリーン・イノベーションのおける関西学院大学の役割、先進エネルギーナノ工学科での設立の意気込みを語った。特に先進エネルギーナノ工学科では、再生可能エネルギーなどの先進エネルギーにおける4つのプロセス、つまり「エネルギーを創る・蓄える・運ぶ・使う」という一連の流れに焦点をおいて、ナノテクノロジーによる技術革新を目指していることを述べた。また、先進エネルギーナノ工学科に着任予定の教員の多くは、企業・研究所等々で、実際にイノベーションを体現した人たちである点も強調した。その後、パネルディスカッションでは、文系・理系という古くから日本にある区分について議論がおよび、現代社会では、その垣根を越えられる人材の必要性が議論された。

シンポジウム終了後、KKRホテル東京にて情報交換会が開催され、関西学院大学関係者、企業、官公庁からの多数の参加があった。

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